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身長181センチの新人女子レスラー「デカいだけじゃない選手になりたい」 日本現役最長身・HANAKOの“まさに大器”な可能性

posted2023/12/16 11:00

 
身長181センチの新人女子レスラー「デカいだけじゃない選手になりたい」 日本現役最長身・HANAKOの“まさに大器”な可能性<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

181センチの日本現役最高身長女子レスラー・HANAKO

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 2023年のマット界で印象的な出来事の一つは、多くの女子選手がデビューしたことだ。これは女子プロレスというジャンルの成長(復興)ぶりを象徴していると言ってもいいだろう。

 センダイガールズ主催、キャリア3年までの選手が対象となる「じゃじゃ馬トーナメント」では、参戦8人中7人が今年デビュー。アイスリボンでは、芦田美歩がデビュー2カ月あまりでシングル王座に挑戦した。

 業界最大手のスターダムにも“2023年組”が12月25日デビューの2人を含め5人いる。とりわけ目立っているのがHANAKO。身長181cm、先輩のレディ・Cを抜いて日本現役最高身長の女子プロレスラーだ。

 3月のデビュー戦の時点から、HANAKOに注目していたというプロレス通もいるだろう。実はデビュー以前から、プロのリングに上がっていたのだ。異例かつ破格のルーキーと言っていい。

中学では吹奏楽部、高校ではバレー部のマネジャー

 出身は京都。プロレスを初めて生で見たのは高校時代だった。知り合いに誘われて行った地元のイベント『京都カス野郎プロレス』だ。何度も通ううちに他の団体も見始めた。世の中に学生プロレスというものがあると知ったのもその頃だった。

「いとこが立命館大学で、学祭に行ったらやってたんです」

 立命館の学生プロレスといえば、棚橋弘至らを輩出した“名門”だ。HANAKO自身は東京の大学に進学。最初はちょっと怖かったが、夏にインカレの学生プロレスサークルに入った。

「大学ではプロレスの話ができる仲間ができたらいいなって思ってたんです。入ったきっかけはツイッター。合宿の様子を見て楽しそうだなって」

 最初はマネジャーなど裏方をやるつもりで、試合をする気はまるでなかったそうだ。でも先輩たちがスパーリングしている姿を見ているうちに、自分もリングに立ちたくなった。長身ということもあり、周りも「絶対やったほうがいいよ」と勧めてくる。

「うまくできるかどうかはともかく、今しかできないことだからやってみようかなって思うようになりました」

 コロナ禍で合同練習もままならない時期があり、デビューまでは時間がかかった。中学は吹奏楽部、高校ではバレー部だったがマネジャー中心の活動。運動には自信がなかった。大会数もそれまでに比べると減ったようだ。それでもリングで試合をするのは楽しかった。シリアスな試合もコミカルな試合も、とにかく観客からの反応が嬉しかったという。

「自分がやることで見る人が喜んだり笑ったりしてくれるというのは凄いことだなと」

【次ページ】 どこまで全力を出していいのか…という悩みも

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