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天龍源一郎、オカダ・カズチカとの“激怒の引退試合”から5年、再会して「高田延彦と双璧だよ」
posted2020/11/19 17:02
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Essei Hara
天龍源一郎が、2015年11月15日に両国国技館でのオカダ・カズチカ戦で引退して丸5年。同じ11月15日に、天龍プロジェクトが『革命伝承~天龍源一郎引退5周年記念大会~』を後楽園ホールで開催した。
天龍にゆかりのある選手、とくに引退前に天龍プロジェクトの大会に出場した選手たち中心でマッチメイクされたカードは全5試合。その全試合終了後、イベントの大トリとなるメインイベントには、天龍とオカダ・カズチカの5年ぶりの“再戦”が組まれた。
再戦といっても、もちろん試合をするわけではなくトークバトルだが、天龍とオカダが対談するのは、雑誌なども含めてこれが初めて。かつては世代を超えたリアルな舌戦を展開した間柄でもある両者だけに、どんな発言が飛び出すか注目された。
「僕と同じ時代じゃなくてよかったですね」
そもそも天龍とオカダの因縁が生まれたのは、2013年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」授賞式だった。2年連続でMVPを受賞したオカダは、ここで記者から「MVP連続受賞者は25年ぶり。過去に連続でMVPを受賞したのは、アントニオ猪木選手とジャンボ鶴田選手と天龍源一郎選手の3選手のみですが?」と問われると、こう答えたのだ。
「アントニオ猪木選手、ジャンボ鶴田選手、天龍源一郎選手。まあ、その3人は、僕と同じ時代じゃなくてよかったなと。同じ時代だったら、そんな記録、その3人はできていないと思いますんで。僕よりもだいぶ前の時代にプロレスラーとしてそういう記録がとれたことを僕に感謝してほしいですね」
当時のオカダは、今と違って新日本内でもヒール的な立場であり、尊大で高飛車な発言を繰り返していた時期。この発言も“レインメーカー”というキャラクターに準じたリップサービスという面もあっただろう。しかしこのオカダの発言を「キャラ通りの言葉」として受け流すことなく、激怒したのが天龍だった。
「俺は新日本プロレスのレスラーじゃないんだから、そんな言葉は通用しないよ。キャラなのか、自惚れなのか、本心なのかは知らないけど、『自分が吐いた言葉には責任を持てよ』ということだよ。あんな水から上がったカワウソみたいなヤツに言われたくない。これだけコケにされたらリングでケリをつけるしかないでしょう。猪木さんもジャンボも現役じゃないけど、俺は現役だからね。黙ってられないだろう」