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坂本勇人「あのときの長野さん、自分のことのように喜んでくれて…」塁上で感極まったワケ
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/11/09 17:04
右打者としては史上最年少で2000本安打を達成した巨人・坂本
史上最年少ではなかったが……
<名言2>
「自分がすごく打っているなというふうにはあんまり思えないんです」
(坂本勇人/1002号 2020年5月7日発売)
◇解説◇
史上最年少での通算2000本安打達成まであと116本――。
坂本にとって2020年シーズンは希望に満ちた幕開けとなるはずだった。しかし、未曾有の事態で開幕は延期。従来と異なるレギュレーションとなったことで、その偉業は先送りとなった。
開幕した新シーズンも着実に安打を重ねた坂本は、1783試合目で2000本に到達。最年少とはならなかったが、ついに多くのレジェンドたちと肩を並べた。
「2000本のためにやっているわけではない」
しかし、大記録が迫る中でも「2000本のためにやっているわけではない」と、坂本が優先したのは個人よりもチームのこと。偉大な数字よりもリーグ優勝、そして日本一奪還を口にしていた。
巨人生え抜きの右打者として長嶋茂雄の記録を塗り替える40本塁打を放った昨季も「他の選手が打っていたら『すごいな』と思うんですけど」と他人事のように話したことがあった。
決して驕らず、周囲の声にも流されない。勝利のために淡々と仕事に集中してきたからこそ、2000本もの安打を積み重ねることができたのだ。
もうすぐ32歳。でも、まだ32歳。すでに試合後のセレモニーで様々な人から「3000本安打」を期待する声が上がっていた。
それでも坂本は、そんな声をどこ吹く風と受け流しながら、ただチームのためにバットを振り続けていく。
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