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大黒柱が抜けても…シーホース三河、22歳“新32番”の献身性が「常勝軍団」復活へと導く 

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山田智子

山田智子Tomoko Yamada

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photograph byKeiichiro Natsume

posted2020/10/24 11:00

大黒柱が抜けても…シーホース三河、22歳“新32番”の献身性が「常勝軍団」復活へと導く<Number Web> photograph by Keiichiro Natsume

10月3日の開幕戦から先発起用されるなど、期待を集めるシェーファー。外国籍選手と互角に闘える日本人ビッグマンを目指す

32番をつけるからにはそれに負けないプレーを

 偉大な番号を背負うことになったシェーファー。当初はあまり受け継ぐという感覚はなかったというが、日に日に“三河の32番”の大きさを実感している。

「僕としては日本代表でもずっと32番をつけていたので、32番をつけたいという気持ちを持っていました。ただジェイアールさんが残してきたものを考えれば永久欠番になる可能性もありました。それをこういう形で引き継がせてもらうのは非常に光栄なことですし、それだけ自分に期待してくれていると感じました。32番をつけるからにはそれに負けないプレーを、とあらためて感じています」

「ディフェンスはプライドを持ってやりたい」

「僕はディフェンスを買われてきたと思っているので、ディフェンスは必ず最優先で、プライドを持ってやりたい。昨季は失点が多かったので、チームの総合的なディフェンス力を上げるために、コミュニケーションを取ってディフェンスの形を整えるのが僕の役目だと考えています」

 開幕からの7試合の平均失点数は75.7点。新型コロナの影響で外国籍選手の合流が遅れているため、一概に比較はできないが、昨季の83.0失点から考えれば大きな改善が見られると言っていい数字だろう。

 開幕節のサンロッカーズ渋谷戦、シェーファーがフル出場した第3Qに注目すると、三河は渋谷をGame1では12失点、Geme2では14失点に抑えている。さらにシェーファー自身はマッチアップしたライアン・ケリーをいずれのゲームも2得点に封じることに成功した。

「去年はテイ(ダバンテ・ガードナー)がケリーを守っていたと聞いたのですが、3Pシュートも打てて動けるビッグマンを守るとなると神経も使いますし、テイは身体の動きもそれほど速い方ではないので、疲れてオフェンスの時に力が発揮できなくなってしまいます。僕はある程度重い選手を守れるパワーがありますし、同時に動けるので、相手のメインのビックマンを率先して守って、他のビッグマンの負担を減らしたいと思っています」

 その言葉を裏付けるように、10月21日の京都ハンナリーズでは、シェーファーは体格で上回るデイヴィッド・サイモンと渡り合い、ガードナーのスタミナを温存することに貢献。ガードナーは18得点のうちの12得点を第4Qに挙げ、計29得点を奪うビッグクォーターを作ることに成功している。

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シーホース三河
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