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ブラジル版“消えた天才” ロビーニョ、パト、ガンソ 世界一になれず伸び悩んだ男の今 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byKaoru Watanabe(JMPA)/Naoki Ogura(JMPA)

posted2020/10/21 11:01

ブラジル版“消えた天才” ロビーニョ、パト、ガンソ 世界一になれず伸び悩んだ男の今<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe(JMPA)/Naoki Ogura(JMPA)

全盛期だった頃のロビーニョやアレシャンドレ・パト。世界一の選手になれなかった男たちは今……

ガンソもまた、故障に泣かされた

 しかし、パトと同様、彼も故障に泣かされる。2007年に右膝の十字靭帯を断裂したのに続いて、2010年には左膝の十字靭帯を断裂。その後も太ももやふくらはぎの肉離れなどの故障を繰り返し、持ち前のテクニックと創造性を発揮できない。このため、欧州ビッグクラブからのオファーはことごとく破談となった。

 2016年、26歳でセビージャへ移籍したが、やはり故障のため継続して試合に出場できなかった。

 昨年1月にブラジルへ戻ってフルミネンセへ入団したが、控えに甘んじている。今月、31歳になった。

「世界一の選手になれる」期待値からは

 20歳前後の頃、ロビーニョへの評価は同年代のネイマールより上だった。パトへの期待も、現在、欧州ビッグクラブで活躍するロベルト・フィルミーノ(リバプール)、ガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)らよりはるかに高かった。

 またガンソも、リバウド(1990年代から2000年代にかけてバルセロナ、ACミランなどで活躍し、1999年の世界年間最優秀選手)、カカ(2000年代から2010年代にかけてACミラン、レアル・マドリーなどでプレーし、2007年の世界年間最優秀選手)以上の素材とみなされていた。

 3人ともブラジル代表に招集されており、選手として全く成功できなかったわけではない。しかし、「世界一の選手になれる超逸材」という熱い期待に応えることはできなかった。

 彼らが伸び悩んだことは、近年のW杯におけるブラジル代表の成績にも大きな影響を及ぼしたはずだ。

【次ページ】 もし彼らが順調に成長していたら

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