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自己最低打率.190に終わった大谷翔平「悪い部分は伸びしろ」だが来季は失敗できない
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKYODO
posted2020/10/04 11:00
60試合制の今シーズン、大谷は打者として44試合に出場。自己最低打率の.190に終わった。
「ショウヘイはタイミングが早くなっている。ボールを呼び込んでから逆方向に強く打てるのが長所だが、投手との間がとれず、タイミングが早いので体の開きが早くなっている」
執拗に攻められる体に近い速球系に対し、窮屈なスイングは続き、バットは何本も折れ、三振の数は175打席で50を数えた。そして、打率は.190に終わった。
来季は期待値ばかりでは許されない
打者として、技術を追い求めるのは理解できる。賛同もする。だが、ひとつだけ今季に限っては疑問もある。特殊な60試合制のショートシーズンであえて新たなトライをする必要はあったのか、ということである。
延長戦が無死二塁からのサドンデスルールになったことも一例であるが、今季はコロナウイルス感染拡大を防ぐために試合時間の短縮が機構側から義務付けられていた。今季のストライクゾーンはワイドでひどいものだが、それは時間短縮のために開幕前から想定内のことでもあった。
新たな取り組みを試みるにはリスクが高すぎるシーズン。それが2020年。厳しい表現になってしまうが「出来ませんでした。すみません」では主力選手としては許されない。それがチームスポーツであろう。
若く、突出した異才の持ち主であり、ファンだけでなく球界関係者をも魅了するのが大谷翔平だ。その彼も来季は27歳を迎える。期待値ばかりではそろそろ許されない。結果のみが求められる一年になるだろう。