ラグビーPRESSBACK NUMBER
父の死でラグビーを諦め一度は自衛隊の道へ…今、釜石で再起を誓う青年に何があったのか
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byYoshiyasu Saijo/Grafica Inc.
posted2020/10/01 11:00
ヤマハとのフレンドリーマッチに出場した釜石SWの片岡(左)。再び燃え上がったラグビーへの思いをピッチでぶつける
「人のために働けたらいいな」
現在は拠点の松倉グラウンド近くで、専修大の先輩であるプロップの束田涼太との2人暮らし。試合後に古傷の半月板を手術することになったが、今後は釜石市内でアルバイトもしながら、来年1月開幕のシーズンでの出場をめざす。
ただし、自分のためにというよりは、誰かのために。
「つねづね感じることは、1人だけでは今の自分はなかったということです。ラグビーもセカンドキャリアも人のために働けたらいいなと思っています。東北に来るのは初めてですが、自分やチームがプレーすることで、東北の皆さんが元気になってくれたら本望です」
3月11日に生まれた片岡が東北に導かれたのは不思議な巡り合わせだ。予測不能な事態に翻弄されながらも辿り着いた釜石で、青年はいま、ラグビーと共に生きている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。