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7人制ラグビーの祭典、香港セブンズ。
世界最高峰の大会はまるで音楽フェス!?
posted2016/04/19 17:00
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Nanae Suzuki
現地に行ってみて、わかった。香港セブンズは戦場であり、祭りなんだ、と。ブラジルとの初戦を終えた日本代表のレメキ・ロマノ ラヴァは、こう表現した。
「まるでスーパーボウルみたいな雰囲気。このグラウンドでラグビーをできることが、すごく幸せです」
キャセイパシフィック/HSBC香港セブンズは、1976年に7人制ラグビー初の世界大会として始まった。現在では24のチームが世界各地を転戦(全10大会)して総合チャンピオンを目指す「ワールドラグビーセブンズシリーズ」に組み込まれているが、その中でも最も盛り上がる大会である。
ラグビーと音楽フェスを同時にやっているような会場。
スタジアムの光景を見れば、レメキの言葉に納得。まさに“防具をつけないスーパーボウル”だ。世界のトップ選手が筋肉と筋肉をぶつけ合うと、会場の香港スタジアムは世界中から集まった4万人のファンによる地鳴りのような歓声に包まれる。この歓声が選手の背中を押して、試合はさらに激しさを増していく。
プレーが止まっても、観衆のボルテージは下がらない。選手入場、トライ後、ハーフタイムなどなど、プレーが止まるたびに流れるダンスミュージックに合わせて観客は体を揺らし、スタジアムDJのハスキーボイスがそれを煽る。もう、巨大スタジアムでラグビーと音楽フェスを同時にやっている感じだ。
試合と試合の合間には、メインスタンド北側最前列がざわつく。ゲームを終えたばかりの選手たちが気軽にサインに応じ、ファンと一緒に写真に収まってくれるからだ。ニュージーランド代表のスーパースター、ソニー・ビル・ウィリアムズのサインをゲットしたちびっ子ラガーマンは、会心のガッツポーズ。香港スタジアムは、世界最高峰のラグビーを「観る」だけでなく、憧れの選手に「会える」場所でもある。