ブーイングすら心地よく思えてしまう

　結局1－1の引き分けで終わった試合後、昇格チーム相手に勝ちきれなかったことで少なからずブーイングもあった。だが、正直それさえも心地よく思えてしまう。サッカーが戻ってきたことを強く実感させられるからだ。

　そしてフランクフルトの全選手が拍手をしながらグラウンドを1周すると、今度はファンからの温かい拍手が送られる。みんなで作り上げる劇場なのだ。

　この日スタメンフル出場を果たした長谷部誠は、そんな観客が戻ったスタジアムについて感慨深く振り返り、そしてこれからに向けてのメッセージを残していた。

「6500人というね、すごく多い数字ではないんですけど、ここ最近は無観客の試合だったので。単純にファンがいる中でサッカーをするのは久しぶりで、気持ちよかった。もちろんうれしかった。もっともっとファンがたくさん来てくれて、またサポーターと一緒に喜んだり、喜怒哀楽を共にできることをね、より多くの人がこれるようになってほしいなと思います」