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デブライネ&サラーは当然! 注目の新星は? 水沼貴史が推す今季プレミア10人
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byGetty Images
posted2020/09/21 20:00
昨季ユナイテッドの空気をガラッと替えたブルーノ・フェルナンデス。今季初戦は敗れたが、1年通して質を保てるかがカギとなる
(4)ハメス・ロドリゲス/エバートン
実力は言うまでもないですね。しっかりゲームをつくれる司令塔で、左足のキックは相変わらず相手に恐怖心を抱かせます。アンチェロッティ監督が求めるのは、リシャルリソン、キャルバート・ルーウィンという2人の得点源との共存でしょう。今後いろいろな使い方を試していくでしょうが、メッシ(バルセロナ)のように自由に動き回ったほうが彼の良さが出るかもしれません。そのためにアランやドゥクレといった後ろで仕事ができる選手を獲得しています。昨季は12位に終わったエバートンですが、ハメス効果で上位に食い込んでくるとプレミアリーグは一層面白くなるでしょうね。
(5)ブカヨ・サカ/アーセナル
アルテタ監督の信頼が厚いとされる注目の19歳。ウイングが主戦場ですが、器用なので昨季はサイドバックやウイングバックなどもやっていました。途中出場も含めて26試合と出場機会を着実に増やしており、リバプールに勝った8月のコミュニティシールド杯ではスタメンで出場しました。開幕戦では経験豊富なウィリアン、ぺぺが起用されたように強烈なライバルがそろいますが、第2節ではスタメンで出場し、得点に絡みました。出場機会を掴んでブレイクしてほしいなと思う選手ですね。チャンスメイクだけでなく、得点もできると定着できるでしょう。
(6)ケビン・デブライネ/マンチェスター・シティ
注目選手、と言われたら入れざるを得ないでしょう。もう、超越した存在です(笑)。まずパススピードが違う。いまはアーリークロスや深く入り込んでからのグラウンダーのボールなどを求められることが多いですが、あれだけ狭いところにビシッとパスを供給できる技術と戦術眼を持った選手は他にいません。ひとつのパスでここまで沸かせられる選手は過去を振り返ってもなかなか見当たらないですよ。それだけ自分の中の基準値が高いのでしょう。それでいて、走る。コンディションを整えて、観る人たちに驚きを与え続けてほしいです。
(7)モハメド・サラー/リバプール
デブライネとまったく同じ理由で、「そりゃ、観るでしょ」という選手。開幕戦からいきなりハットトリックを達成して、解説でも「プレシーズンと全然違うじゃないか」と言った記憶があります(笑)。試合中の集中力はキープしないといけませんが、選手の視点で考えると、1年間ずっと緊張感を高めていては疲れてしまう。シーズンのなかでもどこかでリラックスすることは必要で、そういう意味でサラーは自分で自分をコントロールできる選手なんだろうと思います。南野拓実とのコンビネーションにも期待したいですね。