テニスPRESSBACK NUMBER
「大坂なおみは100%受け入れられるよ」全仏欠場もレキップ紙記者が称えた勇気と尊厳
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2020/09/18 18:00
優勝から一夜明け、鮮やかなドレスに身を包んだ大坂なおみ。その姿勢を貫き、新たな女王像を築いてほしい
「勇気と尊厳を持った彼女を称えていたよ」
テニスを長年取材するフランスの『レキップ』紙の記者に、パリの空気を聞いてみた。大坂は27日に開幕する全仏オープンを欠場すると発表したばかりだが、その記者からはこんな答えを聞いていた。
「この国では、ナオミは間違いなくリスペクトをもって受け入れられるよ。100%保証する。フランスは市民革命によって『人間と市民の権利』を勝ち取った国だということを忘れないで。フランス人はその内容に誇りと愛着を抱いている。ここでは全てのメディアがナオミのやっていることをずっと支持してきた。勇気と尊厳を持つ彼女のことを称えていたよ」
欠場は残念だが、この変則的なスケジュールの中、左太股のケガやクレーコートへの調整時間不足などを考慮すれば無理もない。
そして、抗議行動の継続については全米オープンの優勝会見で大坂自身こう語っていた。
「私は自分の感情に従って、そのときにできることをしているだけです。今はこれが正しいと感じ、するべきだと思いました。だからこの先のことは何も計画してはいません。計画してやるようなことではないと思うし」
行く先々で、何かをするかしないかはもう関係ないのかもしれない。大坂が目指す新たな女王像を、もう世界は理解したのだから。それを好いても嫌っても、大坂なおみはきっとこの路線を力強く進み続ける。