原監督「総合的にチームに貢献してくれている」

「右方向もそうですし、ホームランバッターの特徴であるスピンがね。ちょっとスピンがかかりづらいこのところでしたね。ラインドライブというかね」

　試合後に原辰徳監督がこう語ったように、身体が開かずに内側からバットが出て、しっかりとボールにスピンをかけて打つ形ができてきている。

　打者・岡本の復活を予感させる一打だった。

　もちろん主砲の復活は、後半戦へと突入したペナントレースでチームにとっては大きなプラス材料となるはずである。

「ただね、今年の岡本はチームリーダーの1人として、四番打者としてというだけではなく、非常に総合的にチームに貢献してくれている。そこは彼の日々、成長している部分ですよね」

　原監督がこう目を細めるのには理由がある。

元内野守備コーチ・井端弘和氏の解説。

　実は今季の岡本には、この打撃とは別にもう1つ、特筆すべき成長点があるからだった。

　それは守備のスキルの向上だった。

「もともとグラブさばきとかは柔らかいですし、守備のセンスがないわけではない、むしろうまい選手だと思います」

　こう語るのは2016年から3年間、内野守備走塁コーチとして岡本を鍛えた評論家の井端弘和さんだった。

　2018年に一軍に定着。そこから2年間は主に一塁を守ったことで、他の内野手からの送球を受ける機会が増えた。そのことで捕球技術がかなり上がったことが基本にはある。

　ただ岡本の守備の欠点、最大の課題は打球への反応。それが昨年までのデータでは如実に出ていたのである。

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