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巨人・岡本和真がゴールデングラブ最有力候補!? 名手・井端弘和が教え子の守備力向上を解説。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/09/04 15:00
本塁打も19本(9月3日時点)と四番の仕事をしているが、守備の成長も著しい岡本。目標のゴールデングラブ賞を獲れるか。
目標に向けた弛まぬ努力。
「今年は守っているのを見ると、そこで自然に身体全体で反応して左足を踏み込めるようになっています。三塁線の打球への反応も良くなっていますし、三遊間の当たりにも強くなって、動きも非常にスムースになっていると思います」
もともとグラブさばきはいい。肩も強く、スローイングには本人も自信を持っている。
正確な足さばきができるようになれば守備範囲が広がり、足が使えるから送球もさらに良くなる。そうなればフィールディングデータの向上はある意味、当然の帰結ということだった。
「今年はゴールデングラブを狙います」
2月のキャンプで「狙いたいタイトルは?」という質問への岡本の答えだった。
もちろん聞いた側は本塁打や打点、打率、あわよくば三冠王もと、そんな期待を込めての質問だったはずである。それをはぐらかす岡本流のアンサーと思ったが、まさにこの初志は現実のものとなろうとしている。
守備は練習を積み重ねて、身体で覚えていくしか上手くなる方法はないという。
本気の本気であのときからゴールデングラブ賞を狙っていたのだとしたら……。
目標に向けた弛まぬ努力が、岡本を日々、成長させているということだ。