リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
バルサはベテラン切りできるのか。
クーマン新監督に求められる非情さ。
posted2020/08/24 11:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
ぐうの音も出ない完敗だった。
CL準々決勝・バイエルン戦。2-8……。あるスポーツ紙が一面に付けた見出し「歴史的屈辱」のとおり、バルセロナが8失点した記録は1946年4月21日の総統杯(現国王杯)セビージャ戦まで遡らないと見つけられない。
原因はどこにあるのか。
バルサは何をしなければならないのか。
試合終了後、厳しい顔でマイクの前に立ったピケのコメントが的を射ている。
「選手や監督じゃなくクラブを変えなきゃいけない。(CLでの無残な敗北は)これが初めてでも2度目でもない。俺たちは堕ちるところまで堕ちた。話し合い、反省し、バルサにとって何が最良か考えなきゃいけない」
バルトメウ会長の舵とりに対してはメッシもかねてより不満を抱いており、7月の初めには契約延長交渉にストップをかけたことが報じられている。
会長選は来年3月の実施に。
惨敗の翌週、バルサは次の3つを発表した。
1つ目は、会長選挙を来年3月15日以降の最初の試合日に行うこと。
これはバルトメウが任期を終える来シーズン末まで現体制が続くことを意味する。任期切れによる選挙で選ばれた者が会長の椅子に座るのは7月1日以降と、クラブ憲章で定められているからだ。
ソシオ一般はピケの訴えに同意し、バルトメウの辞任と役員会の解散を求め、会長選挙の前倒しを期待していたと思う。
が、バルトメウの認識は異なり、現状は「チームの危機であってクラブが危機に陥っているわけではない」ため、辞任はしないとバルサTVで説明している。