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バルサはベテラン切りできるのか。
クーマン新監督に求められる非情さ。
text by

横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2020/08/24 11:00

クーマン新監督(右)を招聘したバルトメウ会長。自身の職も危ういとの報道もあるが、斜陽のバルサを立て直せるのだろうか。
CL史上最高齢のスタメンでは……。
そこで問題になるのが、先に触れたベテラン切りである。
近年のバルサは成功に飢えた若者にチャンスを与えてこなかった。今季のトップチームに29歳以上は10人おり、その半数以上がレギュラー格で、バイエルン戦先発の平均年齢(29歳と329日)はCL史上最も高齢だった。
クラブ財政に対しても彼らの存在は大きく、メッシ、スアレス、ピケ、ブスケッツ、ジョルディ・アルバ、グリーズマンの6人だけでチームの年俸総額3億9200万ユーロ(約490億円)の6割をもっていく。
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これを何とかしなければならない。
ペップもロナウジーニョを切った。
似たような状況にあった2008年の夏、沈みゆくチームのサルベージを請け負ったグアルディオラは、就任会見の場でロナウジーニョとデコ、エトーは「不要」と言い放った。
クーマンは誰に、どのタイミングで移籍を勧告するのか。
2007-08シーズンの途中にバレンシアの監督を引き受けた彼は、主将アルベルダをはじめ重鎮中の重鎮カニサレスやアングーロを切り捨てている。
バルサでも臆することなく冷淡に、やるべきことをやるのは間違いない。
