プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人・原監督が吉川、若林に怒った。
結果が全てのプロの心得「体技心」。
posted2020/08/21 11:40
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
投打に若手選手の台頭が目を引く今年の巨人で、また1人、異色の新顔が売り出してきた。
プロ4年目、右投げ左打ちの松原聖弥外野手だ。
松原は仙台育英高校から明星大学を経て、2016年の育成ドラフト5位で入団、50メートル5秒8という俊足が売りで、父親はIT関連のベンチャー企業で社長を務め、兄はお笑い芸人という異色の家庭環境から野球界に飛び込んできた選手でもある。
その松原が「2番・右翼」で一軍初先発をしたのが8月18日の阪神戦。
翌19日の同カードでは1回に二塁内野安打を放つと、7回には二塁に坂本勇人内野手を置いて一、二塁間を破るタイムリー安打を放ってプロ初打点もマーク。故障で登録を抹消されたヘラルド・パーラ外野手の穴を埋める活躍を見せた。
原流の若手育成術の核とは?
「彼には走力も含めて守備力もある」
こう語って阪神先発が左腕の続く中での異例の抜擢理由を説明したのは、原辰徳監督だった。
「総合的に見て(の先発起用)ということで。非常に思い切りの良さというのもありますし、自分の長所を理解して、自信を持ってプレーしてくれればいいと思います」
19日の試合後にはこう松原に期待を寄せた指揮官だが、そこにはこの監督の若手育成への1つの信念が隠されている。
それは選手の力と状態を把握するのはベンチの仕事。だからこそ結果に対してはベンチが全て責任を持つ。その代わりに選手たちには失敗を恐れずに、アグレッシブなプレーを求める。
それが原流の若手育成術の核にあるということだ。