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オンラインでも逞しさと進化を証明。
渡嘉敷来夢、3Pを「まずは100本」。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byYoshio Kato/AFLO
posted2020/08/23 18:00
自粛期間を利用して徹底的に取り組んだ3ポイントシュートの精度もアップし、大黒柱として渡嘉敷の存在感は増す一方だ。
自分を成長させつつ、若手の成長に寄与。
「ショーケース」の紅白戦では、リーダーシップも見せていた。試合後のメディア対応で「特に考えてはいませんでしたが、影響を与えられることは、しっかり与えられればと思ってやりました」と話していた。
今季は所属のENEOSサンフラワーズで約10年にわたってホットラインを築いてきたポイントガードの吉田亜沙美がチームを退団。
加えて、'16年リオデジャネイロ五輪で渡嘉敷とともにペイントエリアでのプレーを任されて日本のベスト8入りに貢献し、一度は引退した後に現役復帰していた大崎(旧姓間宮)佑圭が、東京五輪の1年延期を機に再び現役を退いた。
もはや渡嘉敷はベテラン。所属のENEOSサンフラワーズでは、若きセンタープレーヤー・梅沢カディシャ樹奈の成長に寄与していきたいという思いもある。
「梅沢はだいぶん逞しくなっていますから、この1年で伸びて、代表に入ってほしいというのが私の個人的な願いなんです。自分を成長させつつも、彼女を上手く引っ張っていけたらなと思っています」
渡嘉敷が女子バスケット界を引っ張る。
今後、Wリーグは9月18日に始まり、11月には東京五輪に向けての日本代表活動も始まる。
「現状に満足せずに突き進みたい。11月に代表チームの活動がスタートするまでは、それぞれのチームで個々がやるべきことをやるのが大事です。
自分の場合は3ポイントシュートやミドルシュートの練習はもちろんですが、日本ではできない、大きな選手とのマッチアップのために、ウェートトレーニングで体を大きくしていきたい。集まった時に全員が目標に向かって濃い練習をしていければ良いと思います」
明るい性格は若手だった時から変わらない。
今はそこに将来の日本代表を担う選手の台頭を促したいという思いも加わっている。身も心もひとまわり大きくなった感のある渡嘉敷が、女子バスケット界を引っ張る。