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オンラインでも逞しさと進化を証明。
渡嘉敷来夢、3Pを「まずは100本」。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byYoshio Kato/AFLO
posted2020/08/23 18:00
自粛期間を利用して徹底的に取り組んだ3ポイントシュートの精度もアップし、大黒柱として渡嘉敷の存在感は増す一方だ。
3ポイントを「まずは100本入るまで打つ」。
この様子に、「久しぶりの代表でのゲームでしたが、女子日本代表の良いところがたくさん出たゲームになったと思います」と胸を張っていたのが、日本女子の大黒柱である渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)だ。
渡嘉敷は紅白戦で11得点、8リバウンドの活躍。3ポイントシュートを含めて、堂々とプレーしていた。
そこには新型コロナウイルスの影響による自粛期間中の個人練習の手応えがにじみ出ていた。チーム練習ができなかった時期に渡嘉敷が力を入れて取り組んだことは2つ。
その1つが3ポイントシュートだ。
「まずは100本入るまで打つ。練習時間の前後に余裕がある時はさらにもう少し打つ。スタンディングで打つだけではなく、ムービングで打つ。そんなふうにシューティングをしていました」と渡嘉敷は語っていた。
WNBAに参戦した頃からスキルを磨いてきた。
本来ならば日本代表合宿が組まれていた時期のスケジュールが、コロナ禍による自粛ですっぽり抜け、この期間をフル活用したというのである。
「自分が試合で打つ本数は少ないと思うのですが、打つべきタイミングでは躊躇することなくしっかりと打ち切らなくてはいけません。ゲーム形式になっていく中で、どれだけしっかりと打ち切って決めきれるかというのが自分自身楽しみですね」
バスケットボールを始めた中学生の頃から長身だった渡嘉敷は、つねにインサイドでのプレーを求められており、アウトサイドのシュートを打つ機会はなかった。
しかし、'15年に米国女子プロバスケットボールリーグWNBAに参戦した頃から、ホーバス氏に3ポイントシュートの打ち込みを指示され、少しずつスキルを磨いてきた。それから約5年。今では自身の3ポイントシュートの現在地をこのように語っている。
「最初の頃よりは入るようになって来ていますが、実戦ではまだまだです。他のチームメイトから、自分に3ポイントシュートのパスをしても大丈夫と思ってもらえるように、信頼を得なければいけません」