プロ野球PRESSBACK NUMBER
恐るべき20歳平良海馬「連戦も平気」。
雄星と自主トレ、緻密な分析で成長。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2020/08/20 11:40
プロ2シーズン目となった昨季、夏場に一軍へ昇格すると、以降は中継ぎとして多くの試合に登板した。
「連戦でも平気だし、特に何も」
自身の理論を雄弁に説明するのは苦手らしく、決して口数は多くないのだが、たとえ言葉にしなくても平良の利発さはすべてその行動に表れている。筋力アップのために高校時代からウェートトレーニングに力を入れたり、昨年オフからはトラッキングシステムを取り入れたりと、向上心は強い。
自分の体と対話し、脚に疲労が残っていると感じれば、試合前の練習量を減らす。反対に、暑さ対策のために走る量を増やすこともある。夏バテ対策を聞くと、「普段から食事に気を配るのは当たり前のことです」とサラリと語る。
昨年の5月から、ランナーがいないときでもクイックで投げるようになった。
「いろいろなことを試している中で、いちばん思い通りのボールが行ったからです。『なんか投げづらいなぁ』と思ったときに、クイックで投げたらいいボールが行ったので」(平良)
新型コロナウイルス感染症対策のため、今シーズンは同カード6連戦も取り入れられるなど、変則的な日程で行われてきた。選手にとっては初めて経験することばかり。戸惑いも多いはずである。
「6連戦ですか? 僕はなんとも思ってないです。連投でも平気だし、特に何も感じません」
まだまだ進化を続けそうな風格が漂う、恐るべき20歳だ。
一度は自ら志願した“先発投手”という目標も、心の中で掲げ続けている。大きな可能性を秘めた大器が、その目標を叶える日はそう遠くないだろう。