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恐るべき20歳平良海馬「連戦も平気」。
雄星と自主トレ、緻密な分析で成長。
posted2020/08/20 11:40
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
プロ入り3年目の平良海馬が開幕から10試合、9回と3分の2イニングス0封を続け、中継ぎのエースポジションに躍り出た。ストレートの自己最速記録も160kmに更新。8月19日現在、23試合に登板し8ホールドを記録するなど、安定した働きを見せている。
今シーズン、ライオンズの一軍投手コーチに就任し、ブルペン担当となった豊田清は言う。
「コーチに就任したあと、平良本人と話をしたり、ブルペンキャッチャーの方たちと話をして知ったのですが、昨シーズンはブルペンでは全くストライクが入らない日もあって、でもマウンドに行ったら何とかストライクが入るという波のあるタイプの投手だったそうです。そんな昨年と比べると、コントロールがよくなったと思います。球のスピードはもともとありましたが、そのスピードも回転数がアップするなど、昨年より進化していると思いますね」
優勝旅行を辞退し、雄星と自主トレ。
平良を成長させたのは、昨年オフに行った菊池雄星(シアトル・マリナーズ)との自主トレーニングだった。
菊池とは2019年の開幕前も共に自主トレーニングを行っていたが、シーズン終了後には優勝旅行を辞退して単身、渡米し、再度菊池と練習に励んだ。そして自費でポータブル・トラッキングシステム機器を購入し、練習に取り入れる。MLB、NPBの球団の多くが導入している野球用の分析システムで、球速やボールの回転数、投球の3D映像、リリースポイントなど、さまざまなデータが瞬時に映像となって表示される機器だ。
「平良は昨年の秋からボールの回転数などに注意するようになって、考えながら投げる練習をキャンプから続けていました。『先発をやりたい』という思いから、とにかくたくさんの球数を投げることで、感覚を磨いてきた。そこでストライクを投げる感覚が昨年より磨かれているのではないかなと思います」(豊田コーチ)
では、平良本人は今シーズンの自身をどう分析しているのだろうか。