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西武リリーフ陣の安定感はどこから?
ブルペン事情を豊田コーチに聞いた。
posted2020/08/06 11:50
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Hideki Sugiyama
ライオンズのリリーフ陣に変化が起きている。36試合を終えた時点でチーム防御率は4.47とリーグ5位の数字ながら、クローザーの増田達至は13試合に登板して防御率0.69。今シーズンから加わったリード・ギャレットは15試合に登板し防御率0.59と、いわゆる“勝ちパターン”で投げる投手の安定感は抜群だ。防御率1.88の平良海馬という新星も加わり、盤石の状態で中盤戦を迎えることとなった。一体、何が変わったのか。
今シーズン、新しく一軍投手コーチに就任し、ブルペン担当となった豊田清は語る。
「昨年は8回と9回を平井(克典)と増田に任せていました。そしてシーズンの後半、平良がリリーフで登板するようになりましたが、今年はその3名に、ギャレットが加わりました。平良の成長もあって、昨シーズンに比べて平井を休ませることができる状況を作っています。7回、8回、9回を平良とギャレットと増田という3名に任せていますが、9回は増田と決まっているものの、7回と8回の起用は選択肢がある。いろいろな状況を考えながら、何名かの投手でリリーフできているのが大きいと思います」
期待以上の働きを見せるギャレット。
中でも大きかったのがギャレットの加入だろう。
ギャレットは昨シーズン、デトロイト・タイガースで13試合に登板。勝ち負けはつかず、8.22という防御率でシーズンを終えている。ライオンズに入団が決まったあとは、夫人の出産のために春季キャンプに遅れて合流。キャンプ地で行われた記者会見では「ゴロを打たせるのが得意」だと自己紹介をしていた。
ところが蓋を開けてみれば、メットライフドーム歴代最速の160kmを記録するなど、球威のある剛腕投手で、ここまでですでに2勝10ホールドを記録。球団にとっては期待以上の働きをしてくれていると言っていいだろう。