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今季のMLBに起こり得る異常事態。
23日間で27試合の衝撃と奇跡の予感。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byMike Stobe/Getty Images
posted2020/08/13 07:00
今季MLBは公式戦が60試合しかなく、すでに4分の1を終えたチームが多い。今季ならではの事情で波乱が予想される。
予想外のチームが進出する可能性。
ア・リーグ
(西地区王者)アスレチックス対WC2位(東地区3位)オリオールズ
(中地区王者)ツインズ対WC1位(中地区3位)インディアンス
(東地区王者)ヤンキース対(西地区2位)アストロズ
(中地区2位)タイガース対(東地区2位)レイズ
ナ・リーグ
(中地区王者)カブス対WC2位(東地区3位)フィリーズ
(東地区王者)マーリンズ対WC1位(西地区3位)パドレス
(西地区王者)ロッキーズ対(中地区2位)レッズ
(西地区2位)ドジャース対(東地区2位)ブレーブス
新型コロナウイルスの感染拡大前に、ア・リーグのオリオールズやタイガースにプレーオフ進出のチャンスありと想像した人は少ないだろうし、ナ・リーグのフィリーズやレッズのような「台風の目」がプレーオフに進出すれば、それだけで盛り上がる。
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プレーオフ進出チームが増えた最大にして唯一の理由は、「年俸の日割り満額を支給する際の開催試合数」を巡ってMLB機構と選手組合が決裂したため、それが解決策=新たな「臨時ボーナス」の供給源になるからだが、この方式はとても魅力的だ。
今季は1勝の価値が2.7倍に。
「ワイルドカードのチームがリーグ優勝すれば、ペナントレースの意味がなくなるじゃないか!」という意見はアメリカにもあるのだけれど、すでにアメリカでは「ペナントレース=リーグ優勝」ではなく、「ペナントレース=地区優勝」という認識で決着がついているはずなので、それはそれ。プレーオフを勝ち抜いてリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズまでたどり着くのは別の話だ。
念のため書いておくと、ナ・リーグ東地区首位のマーリンズは他の多くのチームが15試合以上を消化している中、新型コロナウイルス感染者が出たことで2シリーズ計6試合が中止になり、10試合しか消化していない。
それでも再開直後のダブルヘッダーで連勝するなど勢いがあるし、今季は1勝の価値が通常の2.7倍になるので、今の戦績は侮れない。彼らにとっての最大にして唯一の「挑戦」は、全日程の終了が9月27日と決まっているため、過密日程になることだろう。