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術後の投手・大谷翔平の現在地は?
ダルビッシュ有の言葉で考える。
posted2020/08/08 11:50
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Kyodo News
「もちろんその可能性があるなら、やりたいなと思っています」
「私の考えでは出来ると思っている」
二刀流継続か、否か。
上が大谷翔平のコメントであり、下がジョー・マドン監督が残したものだ。
そして大谷は言った。
「来年の頭からしっかり投げられるようにやりたいなと思います」
大谷がはっきりと二刀流継続を口にしたことで、この議論は終止符を打たれた。日米のファンが大きく安堵した瞬間にもなった。
今季、大谷がマウンドに戻れない事実は残念で仕方ない。だが、今の大谷はトミージョン手術からの復帰過程にある。本来ならばまだリハビリ登板の段階であり、本人も今回、それをはっきりと口にした。
「本来ならマイナーで何回か、5~6回投げてどうなのかという段階。当初はそのような予定だった。コロナでなくなりましたけど。その分、メジャーのマウンドでという感じなのかなと思います」
だが、公式戦で彼が投げるとなれば、誰もが160キロの豪速球でメジャーリーガーをなぎ倒す姿を期待してしまう。そんな中、異変が起きればそれこそ一大事。彼は日米の野球ファンのお宝だ。今回の騒動も大谷翔平ならではの宿命、背負っているものの大きさを感じずにはいられなかった。
MRI検査の結果は何を意味するのか?
今季2度目の先発となった2日のアストロズ戦では最速97マイル(約156キロ)を計測した。復帰戦となった7月26日のアスレチックス戦の94.7マイル(約152キロ)を上回ること4キロ。球速は徐々に調整の階段を上っている印象を受けたが、この後に不安が襲った。
最後の打者となったスプリンガーへの直球は89マイル(約144キロ)まで落ち、1回2/3を50球、無安打5四球2失点で降板。
右肘付近に違和感を覚えた大谷は降板後病院へむかいMRI検査を受けた。その結果が右肘付近の屈筋回内筋痛だった。この診断が今の大谷にとってどんなことを意味するのか。