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トッティ以来セリエAで欧州得点王。
凡庸扱いのインモービレ、遂に栄光。
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byGetty Images
posted2020/08/17 11:30
ラツィオでコンスタントにゴールを積み重ねてきたインモービレ。30歳でのゴールデンシュー獲得は彼のキャリアへの祝福だ。
C・ロナウドと4ゴール差で得点王が確定!
そして、1日に行われたセリエA最終節。得点王を争っていたユーベのクリスティアーノ・ロナウドが、CLリヨン戦を控えて温存の措置を取られる。この時点で35ゴールを積み上げ、2位のロナウドに4ゴールの差をつけていたインモービレの得点王が確定したが、彼はきっちりと仕上げてきた。
ナポリ戦の22分。カウンターに出ると、左サイドに大きく開いたアダム・マルシッチにミドルパスが展開された。それに合わせて、「ラツィオのエースストライカー」たるチロ・インモービレが前方のスペースに飛び出した。
マルシッチからパスを受けると、並走していた別の味方にパスを出して、ワンツーで中央突破を図ろうとする。しかしそれは相手の足に引っかかり、ボールは跳ね返ってマルシッチの足元に返ってきた。
しかしその一瞬で、インモービレはゴールへいく頭の中のイメージを瞬間的に書き換えた。そのまま加速し、DFラインの裏へと飛び出そうとする。
次の瞬間……マルシッチから左足でクロスが出てきた! これをダイレクトで合わせてゴールが決まった。まさに彼が言っていたところの、シンキングスピードがなしたゴールということだ。
「得点王は彼にとっても、また彼のためにプレーをしてきたチームにとっても賞与となるものだ」とインザーギ監督は記者会見で話したことがあった。チーム全体がインモービレを盛り立て、点を取らせてきた面は確かにあるだろう。しかしそれも、インモービレの得点感覚に対して絶対的な信頼があってのことだ。
「チーロはここから動くことはない」
チームもこれで4位に入り、CL出場権を獲得。インモービレには「欧州のメガクラブの1つが目をつけた」という噂も上がったが、イグリ・ターレSDは「チーロはここから動くことはない」と発言し今のところラツィオ残留が濃厚と見られている。つまりこのまま来シーズンに突入すれば、インモービレ自身にとっても5年ぶりとなるCLへの挑戦が待っている。
低評価を喰らったセビージャ時代以来、5年ぶりとなるわけだ。
その舞台で成長を見せつけ、国際舞台の場においても不名誉なレッテルを払拭できるか。来シーズンのさらなる飛躍に期待が掛かる。