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J2山口・佐藤健太郎、400試合出場へ。
財前&宮沢に学んだ“理想の先輩像”。 

text by

石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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photograph byRENOFA YAMAGUCHI FC

posted2020/08/12 11:30

J2山口・佐藤健太郎、400試合出場へ。財前&宮沢に学んだ“理想の先輩像”。<Number Web> photograph by RENOFA YAMAGUCHI FC

8月14日で36歳となるMF佐藤健太郎。J1・J2通算400試合出場まであと「2」。

「1、2年目で出会う先輩は大事」

 2人とも声で引っ張るのではなく、背中で見せるタイプ。それでも「ピッチに入ったときの集中力や、それ以外の準備などを見て、すごいと思った」と振り返る。「プロ1、2年目にどういう先輩を見て、どうなりたいと思うかは、すごく大事だと思う」と考える佐藤にとって、幸運な出会いだった。

 30歳は、ベテランと呼ぶには少し早かったかもしれないが、多くの経験を重ねてきた2人の話も、佐藤にとって貴重なものとなっている。

「ザイさん(財前)からは、何度もヒザの大ケガをして、どうやって自分をコントロールしてピッチに戻ってきたのか、という話を聞きました。宮沢さんは浦和レッズ時代、メンバー外で試合に絡めず、河川敷で2~3人で練習したことがあるそうです。状況が良ければ、誰でも良いプレーができますが、そうではないときに、どう行動してきたか。そこでやめたら終わってしまうけど、経験を生かしている。そういう話が、すごく勉強になりました」

行く先々で学んだベテランの姿勢。

 山形を離れてからも、ベテランの背中を追い続けてきた。

「千葉では山口智さん、『隊長』坂本將貴さん。京都には、いまでも現役の山瀬功治さん(現・愛媛FC)がいて、山口にもツボさん(坪井慶介)がいました。長くプレーしている選手には、それだけの理由がある。近くで見て、肌で感じてきました」

 今季は開幕から控え、交代出場、先発、ベンチ外と、試合ごとに自身の状況が変化しているが、黙々と準備を続けている。財前と宮沢から最初に影響を受け、ベテランの姿から学んできた、一喜一憂しない取り組みだ。

「シーズンを通して、できるだけ良い状態を維持しようとするとき、浮き沈みがあると、しんどいんですよ。体ではなく、メンタルがもたない。チームや自分の状況は、シーズンが進む中で絶対に変わります。セルフマネジメントの1つですね」

【次ページ】 J2最年少得点の河野に「すごい」。

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