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選手生命危機の大ケガを克服した、
カソルラとブルーノの移籍&引退。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2020/07/26 20:00

選手生命危機の大ケガを克服した、カソルラとブルーノの移籍&引退。<Number Web> photograph by Getty Images

エル・マドリガルでのラストゲームを飾ったサンティ・カソルラ(右)とブルーノ。ビジャレアルの一時代がひと区切りを迎えた。

今季はなんと11得点9アシスト。

 経験豊富な執刀医が「これほど凄まじい症例は見たことがない」と言うほどの状態だったが、結局カソルラは10回の手術と地道なリハビリで怪我を克服し、2018-19シーズンのリーガ開幕節で1年10カ月と30日ぶりに公式戦出場を果たした。

 そればかりかビジャレアルの攻撃のキーマンとなり、昨季は4得点10アシスト。今季は11得点9アシストを記録している。

 契約延長を求めていたら、おそらくクラブは応じていただろう。

 しかし、「精神的にも肉体的にも(リーガのレベルは)きついと感じるようになった」カソルラは、1年前から誘われていた友人シャビが指揮するアル・サッド(カタール)への移籍を決意した。

ブルーノの左膝も痛みが繰り返し。

 ブルーノの怪我はカソルラほど凄惨ではないけれど、苦しんだ期間は長い。始まりは2016-17シーズン中に生じた左膝下部の痛みだった。

 痛み止めの注射を打ってなんとかシーズンを乗り切ったブルーノは、翌シーズンの開幕まで保存的治療を試したものの治らなかった。

 仕方なく手術を決断したが痛みは残り、膝の状態はむしろ悪化してしまう。メディカルスタッフの手厚いサポートのおかげでベンチ入りという段階まで回復したのだが、その後痛みが強まり逆戻り……。ブルーノは、そんな落胆を3度も味わった。

「似たような重傷を負った選手は他にもいたが、心理的に一番大変だったのはブルーノだと思う」と、後にチームドクターは語っている。

 ブルーノ自身「あてもなくさまようゾンビになった気がした」と告白している。

 諦めていてもおかしくはなかった。誰にも非難はされなかっただろう。

 しかし彼は復帰に向けてリハビリを続け、昨年の夏にはフィンランドで2度目の手術を受けた。

 そして、先月19日のリーガ第30節グラナダ戦でベンチ入りし、第31節セビージャ戦の87分、遂にリーガのピッチに帰ってきた。実に2017年5月21日以来のことだ。

【次ページ】 ビジャレアルは2人の功績を称えて。

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