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中島翔哉がポルトで迎えた大ピンチ。
タイトル直結の活躍で不評を覆せ。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGetty Images

posted2020/07/09 19:00

中島翔哉がポルトで迎えた大ピンチ。タイトル直結の活躍で不評を覆せ。<Number Web> photograph by Getty Images

今年3月、ポルトの公式戦に臨んだ中島翔哉。シーズン最終盤、挽回のチャンスは来るか。

監督お気に入りの選手も台頭。

 しかもディアスが出場できないときは、攻守両面でチームに貢献するタイプのメキシコ代表MFヘスス・コロナがしっかり穴を埋めている。

 コロナは左右のMF、右SBと多くのポジションをこなせるユーティリティプレーヤーで、今季、47試合に出場して4得点9アシスト。攻撃の選手としては守備力が高く、出場時間3832分はチームで最も多い。攻撃の選手にも守備面での貢献を強くを求めるコンセイソン監督お気に入りの選手なのである。

 一方で、トップ下でなくサイドでプレーする場合、中島は以前から守備の課題がある。

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 昨年6月のコパ・アメリカに日本代表の一員として出場し、グループステージ最初のチリ戦で左サイドハーフとして先発した。攻撃面ではかなり通用したものの、再三、自分のサイドを突破され、チームが0-4と大敗する一因となったのは筆者の印象に強く残っている。 

 ポルトでも、昨年9月のポルティモネンセ戦(リーグ第5節)に途中出場した際、対面した右SB安西幸輝(前鹿島)へのマークが甘く、ドリブル突破から見事なミドルシュートを決められた。試合後、激怒したコンセイソン監督が中島に詰め寄り、強い口調で叱りつけている。

 その後、中島の守備への意識も高まっているが、コロナと比べるとまだ物足りない。

 中島不在の間に、2列目左サイドはレギュラーはもとより控えまで固まった感がある。監督はもはや、中島の必要性をあまり感じていないのかもしれない。

ポンテはその才能を高く評価するが。

 中島は、2017年8月、FC東京からポルティモネンセへ移籍。最初のシーズンに、29試合に出場して10得点12アシストと大ブレイクした。

 Jリーグで絶対的レギュラーではなかった中島がこれほどの活躍をしたことについて、ポルティモネンセのロブソン・ポンテ副会長(選手時代、レバークーゼン、浦和レッズなどで活躍)は、「我々は、翔哉が素晴らしい能力の持ち主であると確信していた。クラブと監督が全幅の信頼を置いて気持ち良くプレーさせれば、彼が才能を開花させるのは必然だった」と胸を張った。

 しかし、小クラブであるポルティモネンセと強豪ポルトでは、在籍する選手の質も量も段違いだ。

 伝統あるポルトの青と白の縦縞のユニフォームをまとう選手のほとんどが、強豪国の代表クラス。日本代表で背番号10を付ける男であろうと、チーム内の厳しい競争を勝ち抜かなければピッチに立てない。

【次ページ】 まずは攻撃で圧倒的な結果が欲しい。

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