熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
中島翔哉がポルトで迎えた大ピンチ。
タイトル直結の活躍で不評を覆せ。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/07/09 19:00
今年3月、ポルトの公式戦に臨んだ中島翔哉。シーズン最終盤、挽回のチャンスは来るか。
まずは攻撃で圧倒的な結果が欲しい。
6月下旬、中島はチームに復帰したい意向をクラブ関係者に伝えた。PCR検査を受けて陰性が確認されて以来、クラブの練習場で1人でトレーニングを積んでいる。
地元メディアは「中島がチームに戻れるかどうかは、監督とチームメイトが受け入れるかどうかによる」とみている。つまり体調を上げただけではチームに戻れるかどうかわからない、というのである。
今後、ポルトは7月末までにリーグ戦4試合を行ない、8月1日にポルトガル杯決勝でベンフィカと対戦して今季の全日程を終了する。
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中島が、この極めて困難な状況をいかにして乗り越えるのか。
今後もサイドで起用されるのであれば、攻撃で目に見える結果を残し、守備面でも監督の要求に応える必要がある。
中島にとって理想は守備面の負担が少ないトップ下か2トップの一角でプレーすることだろうが、それにはまず攻撃で圧倒的な結果を残して「中島は左サイド」という監督の考えを変えさせなければならない。
欧州有数の名門クラブで挑んだ最初のシーズンが思い描いたようにならなかったことは、もう悔やんでも仕方がない。それでも再びチームに加わり、シーズン終盤の重要な試合でチームの勝利とタイトル獲得に貢献し、来季以降につなげることができるかどうか。
彼がクラブで成長を続けることは、今後、2022年ワールドカップ・アジア予選の終盤戦を迎える日本代表にとっても極めて重要だ。
8月23日に26歳となり、キャリアのピークを迎えるべき中島翔哉の真価が問われている。