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クロップの発言にドイツが騒然。
ドルトムントとリバプールの差とは。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2020/07/04 11:40
ドルトムントを惜しまれて去ったユルゲン・クロップは、いまやリバプールで絶大な支持を得ている。
クラブは2位で満足している感もあるが……。
毎年選手が引き抜かれることによる戦力ダウン、それがドルトムントが抱えていた“問題”の中身だ。
ドルトムントは、今で言えばハーランドやレイナ、サンチョのような将来有望な若手を安く買い取り、ビッグクラブとビジネスをするクラブだ。セレッソ大阪から獲得し、マンチェスター・ユナイテッドへ移籍した香川真司もそこに含まれる。
クロップの好むハイプレス&ショートカウンターというスタイルは運動量が必要なため、ベテランよりは若手がフィットするので、ピッチの中と外でニーズが一致していた。
だがそのクロップでさえ、'12-'13シーズン以降はブンデスリーガで優勝できなかった。しかもドルトムントでの最後のシーズンは、一時リーグ最下位にまで沈んでいる。
選手が引き抜かれ続けるのが問題だとクロップがあらためて指摘したのは、ドルトムントにしてみれば耳の痛い話だろう。
そして今季もドルトムントは2位に甘んじた。ファーヴル監督に設定した条件はCL出場権獲得だと言われ、クラブがその順位に満足している感もある。
それでもあの連覇の頃の街の様子、スタジアムの興奮を知るクロップの発言は、クラブやファンにどのように響き、波及していくだろうか。