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クロップの発言にドイツが騒然。
ドルトムントとリバプールの差とは。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2020/07/04 11:40
ドルトムントを惜しまれて去ったユルゲン・クロップは、いまやリバプールで絶大な支持を得ている。
「ドルトムントにあった問題」とは。
もう1つ面白いのは、インタビューが掲載されているページで文字よりも動画がメインで扱われていることだ。タブロイド紙のプライドを押し出し、文字での記事にこだわってもおかしくないところ、動画でこそ伝わる雰囲気、空気感を大事にする『ビルト』紙の柔軟性を感じさせる。
撮影場所はクロップのリバプールの自宅だと本人が話しており、家の中が垣間見えるのも興味深い。素敵な庭と大きなソファ、家でお祝いをした名残なのかバルーンなどが映っている。
このインタビューには「リバプールにはなくて、ドルトムントにあった問題」というタイトルがついている。ご機嫌で喋っているわりに、なかなか刺激的だ。
'17-'18シーズンのCL決勝でリバプールがレアルに敗れた頃から、自分たちの力を自覚するようになったことが語られていく。
「いつビッグタイトルにたどり着けるか、考えたこともなかったから正直よくわかっていなかった。でも逆説的だけど、2018年にキエフでCL決勝で敗れたときに、この舞台で戦うだけの力が自分たちに備わっていることを知ったんだ。
もちろん運も必要だし、実際に成し遂げるためには神経を尖らせ続けなくてはいけなかったけどね。だから去年CLで優勝したことは、そうしたシーズン中の戦いからの解放でもあったんだ」
特別な成功の秘訣は無い。
続けて、成功の秘訣についてこう話している。
「CLで負ける前と、やっていることはそんなに変わらないよ。自分たちが同じ方向を向いて、成長し続けられていることがとても重要なんだ。
ドルトムントでの問題は、いつも選手たちが引き抜かれていくことだった。リバプールではそれは起きなかった。この2年半ほとんどメンバーが変わらない。そして週末はサッカー以外にすることがないから、まるで最後の試合のように戦うんだ(にやり)」