スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
最短シーズンと読みづらい展開。
MLBはブルペン勝負か、監督の手腕か。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2020/07/04 08:00
2月29日、今季から監督に就任したジョー・マドン(左)と談笑する大谷。
PCR検査は1日おきに行われる。
開催の条件は、以前からささやかれていたものと大きな変化はない。
DH制は両リーグで採用される(2021年以降は未定)。救援投手は、最低限3人の打者を相手にするか、あるいは登板したその回を締めくくるかしなければならない。延長戦は無死二塁からスタートして、決着を早める。
PCR検査は1日おきに行われる。クラブハウスやダグアウトではソーシャル・ディスタンシングが求められる。
開幕後2週間までは、ロースターが30人に拡大される。つぎの2週間は28名。以後は26名と段階的に縮小される。
ダグアウトに入れるのは、その日の試合に出場する可能性が高い選手のみ。他の選手は、スタンドで6フィート以上離れて坐らなければならない(電子機器の携帯はもちろん禁止)。リリーヴァーは、ふたり並んでウォームアップしてはならない。
唾吐き、指なめ、手洟、乱闘は禁止。
複数の選手が触れたボールは即交換される。唾吐き、指なめ、手洟(てばな)、乱闘は禁止。残塁していた走者は、自分自身で帽子やグラヴを取りに戻らなければならない。バットボーイやボールガールは採用しない(球団職員が代行)。
衛生面での指示が多いことに気づかされるが、これは当然のなりゆきだろう。
「ワンポイント救援禁止」のルールは、試合時間短縮を意識してのものだが、この実効性は疑わしい。
ロースターが拡大すれば、ブルペンフル稼働の戦術が採られるにちがいないし、残塁走者がわざわざベンチに戻ったり、ボールが頻繁に交換されたりするようだと、試合時間は確実に延びる。