スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
最短シーズンと読みづらい展開。
MLBはブルペン勝負か、監督の手腕か。
posted2020/07/04 08:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
2020年大リーグ開催が、やっとのことで決まった。
結局はそうなるだろうという大方の予想どおりだったわけだが、オーナー側やコミッショナーに対する選手会の不信感は根強く、不承不承の匂いがあちこちから立ちのぼっている。
それでもまあ、「失われたシーズン」にならなくてよかった、というのが偽らざる感想だ。少なくとも私はそう思う。
年間60試合のシーズンは近代野球史上最短。
開幕は、7月23日か24日のいずれかになる。
通常のシーズンなら、サマートレードの締切日まであと1週間という時期だ。ここからスタートが切られる、と考えるのが普通だが、そうとらえるとシーズンがあまりにも短く感じられる。
ならばむしろ、「7月下旬に入って、いまなお横一線」と考えたほうが面白くなるのではないか。
気の持ちようで……という話だが、「よし行くぞ、残りは60試合だ」と意気込むほうがスリルを覚えられそうだ。
それにしても、年間60試合のシーズンはいかにも短い。もちろん、近代野球史上(20世紀以降)最短だ(1981年は111試合)。
球史をさかのぼってみると、1877年と78年のナ・リーグにようやく「年間60試合」の例が見つかる。ナ・リーグ発足が1876年だから、これが「大リーグ史上最短シーズン」だ。
今季は、無事に完走するとタイ記録。新型コロナウイルスの感染第2波に襲われれば、もっと短くなる可能性もなしとしない。