酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
各成績で2010年代ベスト9を選ぶと。
坂本や山田&柳田、菅野にマエケン。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki/Hideki Sugiyama
posted2020/06/29 08:05
トリプルスリーを3度も達成した山田哲人に、MLBでも活躍中の前田健太。2010年代の成績ベストナインはおなじみの面々だ。
ベストナイン、抑えはあの助っ人。
【ベストナイン】
〇先発投手 3人
菅野智之 87勝47敗 率2.36
金子弌大 100勝65敗 率2.90
前田健太 80勝51敗 率2.16
〇セットアッパー
宮西尚生 316ホールド
〇クローザー
サファテ 234セーブ
菅野は2年連続沢村賞。2018年には歴史的な快投を見せた。この10年のエースと言ってよいだろう。続いて最多勝の金子、防御率1位の前田。
セットアッパーも文句なし。クローザーのサファテは2017年に54セーブのNPB記録を樹立している。
二塁手は激戦だがやはり山田哲人。
〇捕手
阿部慎之助(巨人)
1054安 202本 653点 2盗 率.283
捕手は悩ましい。阿部が捕手を務めたのは2010年から15年までの6シーズン621試合だった。しかし安打数で阿部に次ぐのはヤクルトの中村悠平(646安 29本 率.241)、続いて現ヤクルトで前年まで楽天の嶋基宏(637安 20本 率.239)だ。この差はあまりにも大きい。前の10年に続き、阿部とする。
〇一塁手
中田翔
1210安 226本 828点 13盗 率.253
横浜-ソフトバンクの内川聖一(1226安 117本 率.296)もいる。安打数、打率では上だ。それに比べて中田は打率が低いが、この10年の打点王を外すわけにいかないだろう。
〇二塁手
山田哲人
1068安 202本 583点 168盗 率.297
二塁手は混戦模様だ。守備では広島の菊池涼介(1117安 85本 率.271)、打撃では西武-楽天の浅村栄斗(1317安 180本 率.285)もいる。しかしトリプルスリー3度の山田を外すわけにはいかない。
〇三塁手
松田宣浩
1347安 239本 764点 112盗 率.272
西武の中村剛也(993安 281本 率.254)も傑出した存在だが、彼は指名打者に回したい。松田はプロとしてはそこまで大きくない体格ながら長打も多く当代屈指のクラッチヒッターだ。
〇遊撃手
坂本勇人
1571安 197本 693点 136盗 率.294
現ロッテで元阪神の鳥谷敬(1254安 68本 率.280)やソフトバンクの今宮健太(886安 66本 率.248)もいるが、数字的には圧倒的だ。坂本は球史に残る遊撃手になろうとしている。