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本田圭佑が語る。カッコつける理由、
「嫌なこともやる」、『自助論』。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Images
posted2020/06/21 09:05
取材が行われたCSKA時代の本田。2010年、CL決勝トーナメント1回戦のセビージャ戦で30mもの距離から決めた直接FKは鮮烈だった。
「進み続ける以外にないやろう」って。
ちょっと冗談っぽく本田は言った。
「もし原稿の最後に2行くらい余ったら、マコ(長谷部誠)やユウトの本もいいけど、『自助論』もいいよって書いておいてよ」
本田の携帯電話が鳴った。どうやら車が到着したらしい。本田はさっと伝票を取り、こちらの分まで支払ってくれた。
「最近、身近な人にウサギとカメの話をよくするんですよ。日本人は足も遅いし、身体も弱い。そのカメがウサギに勝とうと思ったら、進み続けないといけない。悩んでいる同級生とかがいたら、それをぶつけますね。『どうやったら勝てるか考えろ。進み続ける以外にないやろう』って」
手配してもらった車にこちらが乗り込むと、本田がガッシリとしたアゴを引き、手を軽くあげた。まるで映画の中の主人公のように。
(Number783号[ガンバユース不合格→日本代表のエース]「本田圭佑『俺の辞書に“安定”の文字はない』」より)
前編「本田圭佑を直撃取材。『中学から人生の逆算の方程式はできていた』」は下にある「関連記事」からご覧になれます。