ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
オシムの語るいま、そして秘めた炎。
「私はフリーだ。君もわかるだろう」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byAFLO
posted2020/06/12 11:30
オーストリア代表監督となったかつての教え子とオシム。オシムは今でも彼らを見守り続けている。
「そして大いに話し合おう」
「オーストリアはスウェーデンとの試合を控えている。たしかポーランド戦もある(いずれもコロナ禍により延期中)。素晴らしい試合になるのは間違いない。勇気を与えられるような試合だ。サラエボでもボスニア・ヘルツェゴビナ代表の決定的な試合(北アイルランドとのEURO2020プレーオフ。勝てば本大会出場権を賭けてスロバキア対アイルランド戦の勝者と対戦)がある。今はフライブルク対ブレーメン戦を見ている。ブレーメンが1-0でリードしている。素晴らしい得点だった。
今度君が来るときにはソービニョンを飲みながら美味しい肉を食べよう。そして大いに話し合おう。それまで、君はいつもと同じようにこれからもしっかり食事をとってくれ(笑)」
――ちゃんと食べています。ときに食べ過ぎますが(笑)。
「あるギリシャの哲学者はこういった。眠るべきだと思ったときに眠り、食べたいと思ったときに食べるべきだと。すべては自然の赴くままに従えばよい。眠るにせよ食べるにせよそのときどきの欲求に従う。ときにそれは過ぎたることもあるが、自然の声には耳を傾けるべきだ。健康を維持するためには必要なことだ。
電話をしてくれてありがとう。サリュ、モンビュウ」
――メルシー、イバン。