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坂本勇人らだけではない。「6・19」
開幕への難関、“隠れ感染”対策は?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/06/05 11:50
新型コロナウイルスに感染していたが、無症状のため気づいていなかった坂本。他にも同様のケースはあるはずだが、どう対策を施すか。
保健所よりも厳しい基準で。
5月29日から31日の間に選手、首脳陣や希望した218人に抗体検査を実施。即日判明する結果では全員陰性と判定されたが、詳細判定で選手とスタッフ計4人から、感染後に回復したことを示す「IgG抗体」が検出されたことを2日に球団が把握。
そこで同日の西武との練習試合後に、改めて当該の4人がPCR検査を受けて、3日午前中に坂本と大城の陽性が判明した。
これを受けて午後2時開始予定だった西武との練習試合を、開始1時間前の午後1時に中止として、その後も球団関係者は対応に追われることとなったわけだ。
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陽性が出た2選手は保健所の指示で、すぐに入院して再検査を受け、翌4日朝に出た判定では陰性となっている。また保健所が認定した濃厚接触者9人と球団がより厳しく設定している「1m以内で15分以上、会話をした人物」に当たる17人の合わせて26人が、3日にPCR検査を受け、こちらも翌4日には全員の陰性が確認された。さらに4日には原辰徳監督を含む首脳陣、選手、スタッフがPCR検査を受けている。
6・19開幕へ、最後の難関となるかもしれない。
当初は決定している6月19日開幕への影響も心配されたが、直接的にはその心配もなさそうだ。
ただ、今回のこの2人の陽性判明は、改めて“隠れ感染”が球界にも進んでいるという現実を示しており、そのことこそが6・19開幕へ、最後の難関となるかもしれない。
巨人では緊急事態宣言が発出される前から全体練習をストップして個別練習を行なってきた。
その間も施設内での選手の感染対策を徹底し、その上で選手に対する外出禁止等の通達も行なってきた。