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坂本勇人らだけではない。「6・19」
開幕への難関、“隠れ感染”対策は?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/06/05 11:50
新型コロナウイルスに感染していたが、無症状のため気づいていなかった坂本。他にも同様のケースはあるはずだが、どう対策を施すか。
現時点では10球団は手がかりも……。
今回、陽性が判明した坂本は過去2週間を遡った行動確認でも5月29日に友人とランチをとっただけだった。大城も同28日にチームメイトと2時間ほどの会食をした以外は2人とも「外食も夜の外出も一切していなかった」と球団は説明している。
そういう意味では球団として個人として、感染対策はしっかりやってきた中でのものだった。それだけに他チームでも、この“隠れ感染”が広がっている可能性は十分に考えられる訳である。
しかもコロナ対策では優等生とも言える巨人だから、独自に抗体検査を実施し、そこから2選手の陽性が発覚した。
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抗体検査を行なっているのは他にはソフトバンク(全員陰性を確認)だけで、残りの10球団については、現時点ではこの“隠れ感染”の手がかりも得られていないのが実情なのである。
Jリーグは全選手、スタッフのPCR検査をする。
5月22日に行われた「対策連絡会議」では、専門家チームから何らかの事前検査の必要性が提言されている。
それに沿ってJリーグでは再開前にJ1からJ3まで全選手、スタッフのPCR検査実施をすでに決めているが、NPBでは検討はされているものの、まだ具体的な規定が定まらないままに練習試合をスタートしてしまった。
結果として2選手は体内にウイルスを持ったまま、試合に出場していたことになるだけに、選手や関係者、その家族の安全を守るためには早急に対策が求められることになるだろう。
巨人では前述したように抗体検査を行なって、そこで抗体が検出された人物がPCR検査を受けるという手順で絞り込みを行なった。
一方、独サッカーの「ブンデス・リーガ」では全員が1週間に2回のペースでPCR検査を受けて、感染の有無を確認することを義務付ける厳しい規定でリーグ戦が開催されている。