海外サッカーPRESSBACK NUMBER
ロベカルの超絶FKとブラジル代表。
夢の1997年とフランスW杯の失望。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2020/06/03 08:00
ロベルト・カルロスといえば「あのFK」である。それは1997年、フランスW杯前年の出来事だった。
W杯本番、ロナウドは輝いたが……。
充実の’97年を過ごしたブラジルは、絶対的な優勝候補として’98年のフランスW杯に挑む。しかし、ケガ明けのコンディションを危惧されたロマーリオが、メンバーから漏れてしまっていた。レギュラー格となっていたデニウソンも、’97年のキレを失っている。
それでも、ブラジルにはロナウドがいた。’97-’98シーズンからインテル・ミラノへ移籍した怪物FWは、’96年のアトランタ五輪に続いて背番号10に指名されたリバウドや34歳のベテランFWベベットのサポートも受け、準決勝までに4得点を記録していた。
ところが、フランスとの決勝戦を前に体調不良を訴え、スタメン出場を危ぶまれる。一度は彼抜きのメンバーリストが配布され、その後先発で起用されたものの、決勝のピッチに立っていたのはロナウドの抜け殻だった――。