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ロベカルの超絶FKとブラジル代表。
夢の1997年とフランスW杯の失望。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2020/06/03 08:00
ロベルト・カルロスといえば「あのFK」である。それは1997年、フランスW杯前年の出来事だった。
どこからでも攻め、誰もが点を取る。
2日後のイングランド戦は、ロマーリオの決勝弾で1-0の勝利をつかむ。大会を制したのは2勝1敗のイングランドだったが、ブラジルが記したインパクトは特大だった。
イングランド戦から5日後の6月13日、ブラジルはコパ・アメリカの初戦に臨む。ボリビアを舞台とした南米王者決定戦で、ザガロ監督とその仲間たちは破格の強さを見せつけていく。
コスタリカ、メキシコ、コロンビアとのグループリーグを3連勝で終えると、準々決勝でパラグアイを退ける。ペルーとの準決勝は7-0で圧勝し、決勝では開催国ボリビアを3-1で下した。
ロマーリオとロナウドによる“RO-RO”コンビは、抜群のコンビネーションと決定力を弾き出していた。カフーとロベルト・カルロスの両サイドバックの攻撃性能も高く、デニウソンがトゥルノワ・ドゥ・フランスとコパ・アメリカを経て一気にブレイクした。
どこからでも攻めることができ、誰もが得点者になれるサッカーは、スペクタクルに満ち溢れていた。
コンフェデ決勝で6-0の大勝。
1997年を締めくくる12月のコンフェデレーションズカップでも、ブラジルは別次元の強さを見せつけた。オーストラリア、メキシコ、サウジアラビアとのグループリーグの首位通過は当然で、準決勝ではユーロ’96準優勝のチェコを2-0で下す。
オーストラリアとの再戦となったファイナルでは、ロマーリオとロナウドが揃ってハットトリックを成し遂げる。6-0という圧倒的な大差で、ブラジルはタイトルを勝ち取ったのだった。