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岡田Jの韓国戦惨敗が今も問うこと。
「チーム作り」とはそもそも何か。 

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2020/05/24 11:40

岡田Jの韓国戦惨敗が今も問うこと。「チーム作り」とはそもそも何か。<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

日本サッカーにおいて、韓国に敗れることの意味は大きい。しかしこの敗戦が、躍進へのスタート地点だった。

ロマンからリアルへの変節。

「世界のトップとの差を考えれば、W杯では主導権を握れる時間が短くなるのは分かっていた。アジアでやってきたサッカーが、そのまま通用するとも思っていなかった」

 岡田監督はこうも明かしている。「前から積極的にボールを奪いにいく」というコンセプトを維持しつつ、攻撃は1トップの本田圭佑を生かす4-1-4-1へのシステム変更は、現実的な対応だったと言うことができる。背番号18を着けた本田が新たなスターとなり、カメルーンとデンマークから勝利をつかんだのだから、直前の方針転換は英雄的でさえある。

「日本らしいサッカー」を追求することで「世界を驚かせよう」としたチームは、最終的に「日本が勝つためのサッカー」に着地した。韓国戦からのV字回復はあまりにドラマティックだったが、ロマンからリアルへの変節は10年経ったいまも胸に引っ掛かる。

 内田、中村俊、岡崎らがトップフォームで南アフリカW杯を迎えたら、岡田監督は戦い方を変えなかったのだろうか──。

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