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ISUのオンラインレッスンで
宇野昌磨らと一緒に鍛え、楽しむ!
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2020/05/20 17:00
オンラインレッスン『KEEP TRAINING!』に参加しているランビエルコーチ(左)と宇野昌磨(写真は2019年全日本選手権でのもの)。
繊細な重心コントロールに気を配る。
次に参加したトレーニングは、デトロイトの佐藤とジェレミー・アボットによるレッスン。コーチ仲間であるカート・ブラウニングとアリッサ・シズニーも加わり、4名の元トップスケーターが、それぞれの得意分野のコツを披露した。
佐藤は滑りの美しさに定評があるスケーター。そこで、ブラケットやカウンターなど様々なターンで、重心がどのように移動するかを細かく解説してくれた。
陸上で「つま先・かかと」「イン・アウト」「上下」に重心を移動させながら、身体を左右に捻る、という内容。一見すると地味な動きだが、いかに繊細な重心コントロールに普段から気を配っているのかを感じさせた。
「ただ180度開いていれば美しいのではない」
アボットも同様に、ターンでの骨盤の角度や、フリーレッグの位置などをキープするための体幹トレーニングを行った。
またブラウニングのレッスンのテーマは、「スケート靴の中では何が起きているか」。複雑な動きやジャンプを繰り返しながら、頭から足までの体軸を曲げずに力をしっかり足元に伝える、という内容だった。
「このトレーニングが最も生かされるのはジャンプのランディング」とのこと。回転不足や歪んだ着氷にならずに、スーッと後ろに流れるようなランディングのためには、着氷した瞬間に身体のラインがゆがまず、全体重がブレードに乗っていることが重要だと話した。
またシズニーは、いかにスパイラルポジションを美しくキープするか、というトレーニング。「重要なのは、柔軟性よりもパワー」と話し、床に座ってストレッチするのではなく、演技中のように立った状態で壁に足を押しつけて180度開脚をしたり、上げているフリーレッグに加圧をかけて持ち上げたりと、筋力トレーニングのようなレッスンが何度も繰り返された。
「ただ180度開いていれば美しいのではなく、そこにパワーと張力があることで美しく見えます」と話した。