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Kリーグがついに開幕も……。
Jリーグは何を学ぶべきか? 

text by

吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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photograph byGetty Images

posted2020/05/11 20:00

Kリーグがついに開幕も……。Jリーグは何を学ぶべきか?<Number Web> photograph by Getty Images

徹底的に感染予防対策をした上での開幕だが……無観客試合で選手は「練習試合のような気持ちになってしまった」と告白。

試合後、自然に選手たちはゴール裏へ。

 この開幕ラウンド、空席のスタンドにはサポーターの横断幕や、あるいはクラブ側が用意した、人の姿がプリントされた大きな布が置かれたりした。また仁川ユナイテッドは去年のシーズン前のイベントで活用した「サポーターの応援音声」をスタンドで流したりもした。

 そんな、誰もいないスタンドの寂しさを「埋める」エピソードを『スポーツ朝鮮』が報じた。それは、蔚山ワールドカップスタジアムで行われた、蔚山vs.尚州戦の終了直後に起きた。

 4-0で勝利した蔚山の選手たちは、誰が言い出すでもなく、ある場所に向かった。

 ゴール裏のサポーター席だ。

 そして、拍手も歓声もないスタンドに向けて、挨拶を行ったのだ。

 普段の試合後と同じように。

選手はサポーターを切実に必要としている!

 蔚山のイ・チョンヨンは、この日の試合後に 中継局のフラッシュインタビューを受ける活躍を見せた。ゴール、アシストはなかったものの、いわばMVPと見なされる活躍。かつてはイングランドのボルトンなどで活躍し、南アW杯ではアルゼンチン相手にゴールも決めた真価を見せた。

 このインタビューのため、試合終了直後、チームメイトとはぐれる状態となった。

 しかし、イもその後、1人であっても無人のスタンドに向かい、挨拶をしたのだった。

 現場にいた試合中継の解説者はこんな印象を口にしている。

「選手たちの挨拶にはグッときたし、同時にサポーターのいない試合を痛感させるものでもありました。どれほどに選手がサポーターを懐かしがっているか、よく分かる風景でした」

 Kリーグは今後も週1試合のペースで試合が続く。当面は無観客での開催を続け、政府のウイルス対策の方針の変換により、「迅速に観客を入れて試合を行うかどうか決定する」としている。

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