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Kリーグがついに開幕も……。
Jリーグは何を学ぶべきか?
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2020/05/11 20:00
徹底的に感染予防対策をした上での開幕だが……無観客試合で選手は「練習試合のような気持ちになってしまった」と告白。
試合勘と、無観客試合の緊張感の無さが問題に。
5月8日金曜日に行われた(この日は1983年Kリーグ初年度の開幕日だった)全北現代vs.水原三星戦のYouTube中継では韓国語でこんなコメントが入った。
「これを世界に見せていいのか?」
全北はKリーグ3連覇中の「1強」、水原は最大の人気クラブにもかかわらずだ。
韓国メディアではイギリスのBBC記者がTwitter上で「内容はちょっとアレだが、頑張れ!」と投稿した点を紹介している。
この点を韓国の知人の記者(スポーツメディアサッカー担当)にぶつけてみた。
「確かにすべての試合で選手たちは全体的に体が重かった印象です。また数人の選手とも話をしたのですが、口々にこう言っています。『開幕の緊張感で試合序盤は硬かった』、しかし『徐々に緊張感がなくなって、難しくなった』。逆に緊張感がないことが苦しかったのだと。理由は『無観客だったため、どうしても練習試合のような感覚になってしまった』というのです」
この先、Jリーグが開幕した際にも想像しうる点だ。いままでにない休み明けのコンディションはそう簡単に整うものではない。
非常事態にベテラン選手は強い!?
いっぽう、複数の韓国国内メディアは開幕節の特徴として「ベテランの活躍」を報じた。不慣れな状況でこそ、彼らの経験が役立ったのだ、と。
確かに8日には全北の41歳、イ・ドングが決勝ゴールを決め、9日にはセレッソ大阪、アビスパ福岡でプレーした34歳FWヤン・ドンヒョン(城南FC)が2ゴールで勝利に貢献。また蔚山現代の31歳MFイ・チョンヨンは欧州から11年ぶりにKリーグに復帰。攻撃をリードし、ホームで尚州尚武を4-0と圧倒したゲームの主人公となった。
日本でもこの先、やむを得ず無観客で試合を開催する状況は生じうるだろう。その際にはベテランの活躍に注目すると良いのではないか。