右SBはアーノルド＆ビサカの豪華さ。

　右サイドバックは21歳のトレント・アレクサンダー・アーノルドと、ひとつ年上のアーロン・ワン・ビサカである。今後10年近く、彼らがしのぎをけずるのかと思うと、ちょっともったいない気がする。他国ならバッリバリのレギュラーがイングランドでは控え……。打開策はないものだろうか。

　アレクサンダー・アーノルドの右足は精度が高い。リバプールでも12アシストを記録。昨シーズンの総数に早くも並んだ。フリーキックもバリエーション豊かで、この攻撃力をひとつ前で生かせないものかという議論が、イングランド国内でも盛り上がりつつある。

　実際、アカデミーで研鑽を積んでいた当時はアンカーとしての才能も注目されていた。偉大なる先人、スティーブン・ジェラードの正統後継者、という評価もあった。

「ジェラードは永遠の憧れで、目標でもある。いつかリバプールでもイングランド代表でもキャプテンになりたいし、中盤でプレーしろと命じられれば、拒否する理由はどこにもない」

ジェイムズはベッカムのような……。

　本人も中盤に色気を見せているのだから、アレクサンダー・アーノルドを中盤に上げ、右サイドバックをワン・ビサカとチェルシーのリース・ジェイムズ（20歳）でやり繰りできないだろうか。

　1対1の対応なら、ワン・ビサカはアレクサンダー・アーノルドより上だ。天性のスピードと柔軟性を利した粘り強いマークで異彩を放っている。

　ジェイムズは右足クロスの精度に定評があり、そのフォームはデイビッド・ベッカムを彷彿とさせる。対人プレーに改善の余地は残すものの、特大のポテンシャルは誰もが認めるところだ。

　アレクサンダー・アーノルド、ワン・ビサカ、ジェイムズ……。彼らの出世争いは注目に値する。現時点ではリバプールのアシストキングが一歩も二歩もリードしているとはいえ、追撃する2選手の底力も捨てがたい。

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