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EURO延期はイングランドに追い風?
ケイン復帰とマウントら逸材の台頭。
posted2020/04/22 11:30
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
世の中が正常に機能していれば、きっといまごろヨーロッパ選手権の話題で盛り上がっていたに違いない。
「優勝候補筆頭はスペインだ」
「タレント揃いのオランダこそ注目に値する」
「イタリアの復活に期待したい」
サッカーファンの熱い議論でスポーツパブが賑わう。ありふれた日常が1日も早く戻ることを、切に願う今日この頃だ。
さて、ヨーロッパ選手権は1年延期になったが、イングランド代表にとっては大きなプラスと考えられている。なぜなら、大黒柱でキャプテンのハリー・ケインが、心おきなく参戦できる可能性が高くなったからだ。
1月1日のサウサンプトン戦で左ハムストリングに裂傷を負った。3カ月以上が過ぎたいまも復活の目処は立っていないが、来年7月ならピッチに立っているはずだ。
マーカス・ラッシュフォードも戻ってくる。腰椎の疲労骨折により、彼もまたヨーロッパ選手権の出場が危ぶまれていた。しかし、大会の延期によってコンディションを整える時間が与えられた22歳のアタッカーは、トップフォームで本大会に臨めるだろう。
デヘアから定位置を奪える23歳。
彼以外にも、イングランド代表は期待の若手が目白押しだ。
GKはディーン・ヘンダーソンだ。アリソン、カスパー・シュマイケルと並んで今シーズン10回(最多はニック・ポープの11回)のクリーンシートを達成し、所属するシェフィールド・ユナイテッドの上位進出に貢献している。
派手なセーブこそ少ないものの、それはポジショニングがしっかりしている証だ。安定感ではジョーダン・ピックフォードを上回っているため、いつイングランド代表の正GKに起用されても不思議ではない。
また、保有権を持つマンチェスター・ユナイテッドが今シーズン限りでシェフィールドへのローンを打ち切り、来シーズンからダビド・デヘアに代わる正GKとして23歳のヘンダーソンを起用する、との噂も囁かれはじめた。直近のパフォーマンスを踏まえると、悪くない入れ替えである。