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夢の劇場で見たスコールズの一撃と、
「背番号22」から届いたメール。

posted2020/04/20 20:00

 
夢の劇場で見たスコールズの一撃と、「背番号22」から届いたメール。<Number Web> photograph by Getty Images

赤い悪魔のセンターハーフと言えばスコールズ。マンチェスター・ユナイテッドファン以外ならずともその印象は強いだろう。

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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『Sports Graphic Number』創刊1000号を記念して、NumberWebでも「私にとっての1番」企画を掲載します。今回はドイツに居を置き、浦和レッズの取材経験も豊富な島崎英純氏による、マンチェスター・ユナイテッド黄金期の中盤センターに君臨したポール・スコールズの鮮やかなボレーシュートと、その夜の話について。

 僕にとって、長く取材活動をしてきたJリーグの浦和レッズはもちろん特別なチーム。ただ、その浦和と同列に“心のクラブ”として敬愛しているのはイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドだ。

 ユナイテッドを好きになったのは“ファギー”こと、サー・アレックス・ファーガソン監督がチームを率いて5年目、おそらく1991年頃。きっかけは17歳のライアン・ギグス(元ウェールズ代表)がトップデビューを果たし、あのくせっ毛の黒髪をなびかせながらピッチを疾走する姿に魅了されたからだった。

 ちなみにギグスはイングランドサッカーの歴史で初めて「ワンダーボーイ」と称された選手で、後に浦和のストライカーとして名を馳せる田中達也もまた「ワンダーボーイ」の名を冠してサポーターの寵愛を受けた選手だ。

ギグス、ベッカム、スコールズ。

 ギグスを好きになってからは、ユナイテッドの他の選手にも興味を持つようになった。エリック・カントナ(元フランス代表)、ブライアン・ロブソン(元イングランド代表)、アンドレイ・カンチェルスキス(元ロシア代表)、マーク・ヒューズ(元ウェールズ代表)などのプレーに惹かれた。

 さらに1992、93年に「ファーガソンの雛鳥たち」であるデイビッド・ベッカム、ニッキー・バット、ガリー・ネビル、フィル・ネビル、そしてポール・スコールズらが加入してからのユナイテッドの躍進に熱狂した。

 だから某サッカー専門誌の記者へ転職してからは「必ず、オールド・トラッフォード(ユナイテッドのホーム)に行く!」と意気込んでいたが、マンチェスターまでの道のりは果てしなく遠く、なかなかその願いが叶う日は訪れなかった。

 夢が実現したのはサッカー専門誌の記者を辞め、フリーランスとなってから約5年半が経過した2012年初頭のことだった。

【次ページ】 鉛色の曇り空のマンチェスター。

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