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それでも選手はプレーしたい……。
米女子ゴルフ3部ツアーが開催中のわけ。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2020/04/21 07:00
全米女子ツアーのルーキーとして期待されていたヘイリー・ムーア。果たしていつになれば1部ツアーが再開されるのか……。
バイトより勿論優勝賞金の方がイイ!
新型コロナウイルスの影響で、練習場所が変わった。
愛用していたカントリークラブは会員限定となり、バーナムは入れなくなったため、近くのパブリックのゴルフ場で練習を始めた。
「時々、すごく混んでいるんですよ。なるべく人がいない午前中に行って、他人との距離があることを確認しながら練習しています」
カクタスツアーには3月下旬から参戦したのだが、すぐに結果を出してみせた。出場した4試合で2勝を挙げたのである。「バイトで稼ぐより優勝賞金の方がいいですよね?」と筆者が問うと「もちろんです!」とバーナムが笑った。
「なんで、今もやってるんだ?」
アリゾナ州の保健局によると、同州の新型コロナウイルスの感染者数は4719人(4月17日現在)。同日の日本の感染者数の約半分である。緩やかだが刻々と感染者は増えている。
カクタスツアーには、米メディアから頻繁に取材の問い合わせが入る。「『なんで、今も(ツアーを)やってるんだ?』って、しょっちゅう聞かれますよ」と主催者のブラウン氏が言う。
「だって選手は試合に臨む準備ができてるんだからさ」
だから戦いの場を設けるのは当然でしょとブラウン氏は言わんばかりであった。
カクタスツアーのミッションは「女子ゴルファーが、1部や2部ツアーで戦うための準備の場を提供すること。参加選手にとって良心的な環境や参加費であること」である。
ブラウン氏の信念、トップ選手の思い、若手の決意……各々がそれぞれの舞台で戦い続けている。