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それでも選手はプレーしたい……。
米女子ゴルフ3部ツアーが開催中のわけ。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2020/04/21 07:00
全米女子ツアーのルーキーとして期待されていたヘイリー・ムーア。果たしていつになれば1部ツアーが再開されるのか……。
大会運営スタッフはたった1人!!!
試合開催のハードルが極めて低いことも続けられる理由だ。
主催者はマイク・ブラウン氏である。
そう、1番ティーでスターターを務め、ムーアにジョークを飛ばした中年男性が、たった1人で主催から運営まで全てこなしているのである。
スポンサー、チケット販売、テレビの放映権、ボランティアの手配など一切ない最小限のツアーである。
それでも「安全面には細心の注意を払っています」とブラウン氏は語る。「米国CDC(疾病対策センター)は50人以上集まるイベントや、10名以上の集会の自粛を勧告しています。その勧告を守って、出場選手の人数も制限しています。ペアリングは1組2選手にした上で、選手1人ひとりに、日々消毒したカートを用意しているんですよ」
選手がピンフラッグに触ることなくカップからボールを取り出しやすい様に、カップの底に“プールヌードル(スポンジのポール)”を入れてカップ内の深さを浅く調整するなど、様々な工夫を重ねている。
有名選手らがぞくぞくと参加!
2月下旬にレギュラーツアー(米女子1部ツアー)が中断すると、アンナ・ノードクイスト(スウェーデン)、カルロタ・シガンダ(スペイン)、ティファニー・ジョー(米国)などアリゾナ周辺を拠点とする有名な選手たちが続々とスポット参戦した。メジャー通算2勝のノードクイストは3月下旬のムーンバレーCCの試合で優勝を飾っている。
「いつも利用するゴルフ場3カ所のうち2カ所が閉まってしまったので、ゴルフができるだけでありがたい。それにカクタスツアーなら試合の雰囲気も味わえて良い」(ノードクイスト)
ノードクイストが受け取った優勝賞金は2000ドル(約22万円)だ。
スポンサーがいないため、カクタスツアーでは、出場選手の参加費を集めた中から、順位に応じた賞金を支払う方式である。ノードクイストをはじめ有名な選手たちは「(参戦は)賞金のためではない」と米メディアに答えている。