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それでも選手はプレーしたい……。
米女子ゴルフ3部ツアーが開催中のわけ。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2020/04/21 07:00
全米女子ツアーのルーキーとして期待されていたヘイリー・ムーア。果たしていつになれば1部ツアーが再開されるのか……。
「『自分はプロゴルファーなんだ』という覚悟」
ムーアはアリゾナ大の卒業生のため、アリゾナに友人は多い。今は友人宅に泊めてもらいながら連戦しているのだという。
「誤解しないで欲しいのは、(金銭的な理由だけで試合に出ているのではなく)カクタスツアーを楽しんでいることです。私はゴルフも試合も好きです。アリゾナにコーチがいるので、試合で課題が見つかったら、すぐコーチの下で練習に取り組むことも出来ますし、ゴルフ仲間も試合に出てるので、同組になったら距離を保ちつつもお喋りしたり、楽しんでいます」
3月末のサンシティCCの試合でムーアは勝利し、優勝賞金2500ドル(約27万円)を手にした。
「自分の努力が報われた気がします。こういう状況下だから、特に嬉しい」
ムーアの今年の目標は、シード権を獲得することだ。
「そのためには(カクタスツアーでも)『自分はプロゴルファーなんだ』という覚悟を持って一打一打を大事にするようにしているんです」
ツアープロが宅配のバイトでしのぐ!?
レギュラーツアー2年目、24歳のサラ・バーナム(米国)も、カクタスツアーに参戦中である。
2月に3試合中止の知らせを受けた時、バーナムは動揺を隠せなかった。
「これからどうなってしまうんだろう? とすごく不安になって……」
バーナムの地元のミネソタ州の冬は極寒で雪が多く積もる。満足に練習が出来ないため、1月から4月の間は、アリゾナに家を借りている。
バーナムはアリゾナに残ることを決め、すぐバイトを始めた。「Shipt」という食料品などの宅配サービスのバイトである。
「お金のためというより、暇だと悪い方に考えすぎてしまうので、忙しく働こうと思いまして(笑)」
2週間限定でバイトをしたことで気持ちの整頓がつくと、ゴルフを再開した。