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日本史上初、世界ランク2位に!
伊藤美誠が目指す「無敗の女」。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byXinhua/AFLO
posted2020/04/20 18:00
カタールオープン準決勝では、丁寧に4-0のストレート勝ち。第3ゲームを11-0のラブゲームで破ったことも話題に。
「無敗の女を目指して頑張っていきたい」
調子の上がらなかった2017年は、苦しそうな表情も少なくなかったが、しばしば口にするように、「楽しむ」ことを意識するようになった。試合でも笑顔が増えた。
リオデジャネイロ五輪に出場し、団体戦で銅メダルを獲得して終えたすぐあとは、東京五輪へ向けて、「代表をとること、勢いじゃなく、実力でメダルを獲った、と言ってもらえるような選手になりたいです」と語っていたが、自ら重圧をかけることにもなっていた。
そこから捉え方を見つめ直し、そこから脱却したのも、成績を伸ばしてくることができた要因である。
世界ランキング2位となった今、不動の地位を確立した伊藤が中国の牙城を崩す最右翼であることは、誰もが認めるところだ。
昨年12月下旬、2020年に向けてこう語っていた。
「1つ1つ、目の前の大会をやりきって、自分らしく戦うことがもっと大事になってくると思うので、しっかり実力をあげて負けない選手になりたいです。無敗の女を目指して頑張っていきたいと思います」
一大目標としていた東京五輪は、来年へと延期となった。
だがそれをも前向きに捉え、日本が長年の悲願としてきた、そして伊藤自身も目指してきた打倒中国と世界一を目標に、独創性という大きな武器とともに進んでいく。